桜野いつき先生の『ふたごわずらい』1巻を読んだので感想を書いていきます。


『ふたごわずらい』のあらすじ

「伊澄アコ」と「伊澄こまち」は双子の姉妹。幼いころから通じ合っていた二人だったが、高校3年生になってからアコは漠然とした違和感と不安を覚えていた。こまち以外に心の拠りどころを求めるアコは、放課後の教室で副担任の「大沢麻紀」先生に強引に詰め寄りキスをする。しかし、妹のこまちが向かいの校舎からそれを見ていて…。いびつな姉妹の愛。青春の終わりに、絆を結び直すジュブナイルストーリー。

『ふたごわずらい』は双子の姉妹である伊澄アコ(姉・表紙右)と伊澄こまち(妹・表紙左)を中心とした百合漫画です。彼女たちの幼馴染で親友の上坂雪、アコが好きになった副担任の大沢麻紀先生が主な登場人物。

サンプルは各種電子書籍サイトの「試し読み」で読めますが、実は作者のツイッターなら最も長く読めます。



『ふたごわずらい』1巻の感想

ハッキリ言って「双子百合」界隈ではどちらかが現状からの脱却を望み、もう一方が現状維持を望む……という設定は王道中の王道であり、特に目新しいものはありません。アンソロジー等でも使い古された設定です。

しかし『ふたごわずらい』の魅力は「見せ方」にあると思います。

あえて明確に表現せず、示唆に留める技法は見事。一歩間違うとただの説明不足になる危険性も孕んでいるので作者に高度なスキルが要求されます。

ストーリーに関して言うと、試し読みでも読める1話でアコは先生に告白しましたがそれが恋愛感情なのかは謎。こまちの呪縛から逃れたかっただけの可能性も高いです。

一方のこまちが姉・アコに抱いている感情は恋愛感情、もしくはそれ以上のものに思えます。いわゆるヤンデレってやつですね。

麻紀先生は麻紀先生で変な方向に行こうとしている気が……彼女の同僚である花園先生との関係も気になるところ。

さらに双子の幼馴染で親友の雪も百合姫9月号掲載の最新話では新たな事実が発覚したり……

このように複雑に絡み合った人間関係も『ふたごわずらい』の魅力の一つです。何角関係になるんですかね……

あらすじにもある通り『ふたごわずらい』は「絆を結び直す」話なのであまり悲劇的な結末を迎える気はしないのですが、結局彼女たちの関係がどうなるのか、物語の着地点が全く見えません。



あとは単純に絵が上手いです。すっきりしてて見やすく、苦手な人がいない万人受けするタイプの絵柄で作品にもよく合っていると思います。作者のツイッターで試し読みできるのでぜひ。

ただ、『ふたごわずらい』は話がわかりやすいタイプの作品ではないところには注意。行間を読む必要性が結構あります。伏線もかなりありそう。

さらに、常に暗い雰囲気を纏ったダークでシリアスな話なので人は選ぶでしょう。そもそも「双子百合」自体が百合の中でも人を選ぶジャンルではある気がしますが。

この手のシリアス系の作品は『コミック百合姫』において成功例が少ない気がしてやや不安もあるのですが……売れないと続けられないからね…だからこそ布教は大切。

まとめ

ふたごわずらい』は双子百合作品の設定としてはごく普通ですが、全く先が読めない続きが気になる作品です。シリアス系の百合作品が好きなら気に入るハズ。

あと『ふたごわずらい』ってタイトルがいいですね。作品の雰囲気を端的に表しつつわかりやすいタイトル。さらにエゴサもしやすいという(笑)。タイトル考えたの作者か編集かはわかりませんがこんなセンスが欲しい……

なお『コミック百合姫』2020年9月号には単行本の続きの話となる『ふたごわずらい』最新6話が掲載されています。双子の親友で幼馴染である雪のエピソードです。

この作品は毎回アオリ文も秀逸なので是非本誌で読んで欲しいところ。単行本だとアオリ文は消えちゃいますからね……

『ふたごわずらい』や掲載誌である『コミック百合姫』を電子書籍で読むならebookjapanがおススメです。

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コミック百合姫 2020年9月号[雑誌]
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【最新刊】ふたごわずらい (1)【イラスト特典付】
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